日本精神衛生学会創立20周年記念大会へのお誘い


日本精神衛生学会理事長 創立20周年記念大会長  高塚 雄介



 昨年来、機会あるごとに周知をしてまいりましたが、日本精神衛生学会は今年で創立満20年を迎えることになりました。人間になぞらえるならば、成人式を迎えることになり、大人としての自覚と責任を課せられる段階に到達したことになります。
 1985年12月に多くの関係者の期待を集めて第1回大会を開催して以来、本学会の歩んできた道はけっして平坦なものであったとはいえません。発足当時から、『心の健康』という課題は単に医学の領域だけで対応するべきものではないという理念に基づき、さまざまな分野や領域の人たちが等しく意見を交換し合い、その理念を追求する学会であることを目指してきました。当時しばしば用いられるようになった、学際的という考え方をまさに実践し、その先端を走る学会であることを自負してもきました。そして、榎本 稔運営委員長、吉川武彦理事長と二代続いた医師による執行体制を、心理職である高塚が受け継ぐことによって、その理念はさらに現実化され、幅広い分野の方たちが参加しやすい学会になることを推し進めてまいりました。この数年、ようやくその成果が少しずつ形を見せ始めています。しかし同時に、学際的であるがために焦点が定まりにくいという課題を常にひきずっており、各専門領域において高次な研究成果を期待する方たちからは不満の声が強く聞かれたことも事実です。今後は20周年を契機として、『精神衛生学』と呼ぶべき新しい学問体系を確立することによって、そうした研究者の方々のニードに応える方策を推し進めることが必要な時期に来ていると考えております。
 ともあれ、ひとつの節目としての大会の基本がようやくまとまりました。創立以来長年に渡り、会長として本学会を指導されてこられた土居健郎名誉会長のお名前を冠した記念賞の創設と、その第1回授与式ならびに土居先生の記念講演を中核に、特別講演、大会シンポジウムのほか、自主シンポジウムやワークショップ等、盛りだくさんのプログラムが企画されています。まだ、お名前を公表できない方もおられますが、記念大会にふさわしい方々をお招きするべく準備を進めております。
 ご期待くださるとともに、是非ふるってご参加いただきますようお願い申し上げます。